株式会社リソース・インターナショナルより
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「Resource News」としてお届けしています。
NEWS
業務用チェアの取り扱いを開始しました。
イスバリ生地の豊富さにご好評をいただいているリソースから、業務用チェアのコレクションが発売となりました。
 
軽さと耐久性に優れスタッキング可能なバンケットチェアと、木目調で高級感あふれるダイニングチェアのコレクションをご用意。
どちらもフレームはアルミ製。
フレームの色や形状、そしてもちろん張地も選べるセミ・カスタムのシリーズです。
 
商品を一覧できるカタログをご用意しております。
お気軽にお問い合わせください。
 
TOPICS

素材の未来  ~サスティナブルに向けて

SDG's~2030アジェンダの年限である2030年まで10年を切りました。
テキスタイルの分野でも、2030アジェンダへの取り組みを積極的に導入するメーカーや啓蒙発信を行い意識を共有していこうとするブランドの動きが加速しています。
世界最大のテキスタイル見本市「ハイムテキスタイル」では、ロンドンの未来研究機関FranklinTillのキュレーションによるインテリア素材のサスティナブル最先端をオンライン上で展示しています。
 
「未来の素材」と題したこのオンライン展示では、「Regenerative Crops」「Remade Fibers」「Harvesting Waste Streams」「Sustainable Colors」の4つのテーマで、サスティナブルに向けた新しい技術を紹介しています。
Regenerative Crops <大地の再生>

現代の繊維栽培は、しばしば多大な環境コストを伴います。

大量の水と化学物質を使用しながら、生態系を破壊し、表土を枯渇させ砂漠化を引き起こし、汚染を悪化させています。

 

繊維栽培においても、リジェネラティブ農業によって土壌の有機物を再構築し、劣化した土壌の生物多様性を回復させることでこれらの問題への取り組みが進んでいます。 麻、イラクサ、ヤク繊維など、意識的に栽培された豊かで新しい天然素材が生まれています。

カシミヤに代わる素材として注目を浴びているのはヤクです。

 

カシミヤは、毛質が細く柔軟で保温保湿性に優れるすばらしい素材ですが、一頭のカシミヤヤギからは年間150グラム程度しか毛が採取できないため、希少で高級素材とされています。量産のための過剰放牧により、草の葉も根も花も喰いつくされモンゴルステップの砂漠化の一因となっています。

 

先住民とともに生きてきたウシ科のヤクは、地を耕し草の葉先のみを食べるため地域の生物多様性を促進します。未染色のヤクの毛で作られた生地は非常に柔らかく、低アレルギー性で通気があり、耐水性、耐臭性があり、ブランケットやセーターとして使われています。

数か月以内に100%生分解する生地
廃材バックで人気のFreitagが発表したF-abricは、工場近郊のみで得られる亜麻・麻の靭皮繊維・ブナ材モダールから作られている。
カポックの種から繊維をつくる
貧しい土壌でも生育するカポック。繊維にするのが難しかったパンヤと呼ばれる種を生分解性のテキスタイルに。
自生するヒマラヤイラクサから繊維をつくる
古い茎を採取することで新しい葉が生まれ森林再生を促進。公正雇用で自給自足の地元農民の生活改善も目指す。
ヘンプ(大麻)繊維、冷染システムの開発
農学者、生産者、繊維技術者のネットワークにより、環境負荷の低いヘンプの活用や30℃以下での低温染色工程を開発。
麻を育て生態系を整える
麻農場で有機農法と再生農法を実践することにより、表土、空気、水を育むことに取り組む。

Remade Fibers <繊維の再生>

考えることなく捨てられた衣類は、焼却や埋め立て地に運ばれる廃棄物となります。

産業廃棄物に焦点を当てた新しい技術により繊維を再生することで、また新たな材料として使うことができます。

 

綿100%など単一組成のみならず、綿ポリなど複合組成においても、廃繊維を化学的または機械的プロセスを経て繊維や糸に還元し、再び使用可能な材料に再生する技術が進んでいます。究極の目標は、廃棄を出すことなく無限に再生が続くゼロウェイストサイクルです。

地元の縫製工場から産業廃棄物を収集して分類。これらのスクラップを繊維に粉砕して戻し、これらをもう一度新しい糸に紡ぎ、コレクションに織り込みます。 
 
The New Denim Project 社ではリサイクル材料から作られるものも再生可能かつ生分解可能な製品とするために、合成繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリルなど)は取り除き一切使用しません。また再生プロセスでは化学薬品や染料を使用せず、最小限の水とエネルギーに留めます。再生プロセスで出る繊維くずは、グアテマラ高地でコーヒーを栽培するための堆肥として使用されています。 
端材から糸を作る
製織工程で切り落とされる耳の部分から糸を製造。製糸の際の化学物質を使う工程が省け、水やエネルギーを節約したポリエステル糸の製造が可能に。
サーキュロースパルプの生産
使用済みの廃棄衣料からセルロースを取り出し、誰もが利用しやすいシート状のリサイクル原料を製造。ユニクロやH&Mなどで相次いで採用されている。
イオン液体を使った再生技術
溶媒に無害で環境にやさしいイオン液体を使用し、繊維廃棄物・木材パルプ・リサイクル新聞・段ボールから再生繊維を作る。
リサイクル材を使ったテンセル
テンセルの商標を持つレンチング社では、綿織物のスクラップと持続可能な方法で育てられた樹木からの木材パルプと混合したリヨセル繊維を開発。
複合素材からのリサイクル
100%のウールや綿、ポリエステルなどの純粋な単一材料のリサイクルが一般的な中、マルチマテリアルからのリサイクルを実現。

Harvesting Waste Streams <無駄なく使い切る>

地球の貴重な資源を守り廃棄物を減らしていくために、製品デザインや製造メーカーなどモノを作る側は、原材料を再考する視点が必要になってきます。

 

消費された後のポストコンシュマー材だけでなく、使用前すなわち生産過程で発生する廃棄物や不良品などのプレコンシュマー材の再利用も、非常に実効性のある解決策であることが分かっています。プラスチックばかりでなく食糧生産から牧畜や林業に至るまで、産業の商品化までの過程の中には多様で予想外の廃棄物が潜んでおり、有効利用の余地がまだまだ存在しています。

素材の段階では原皮の形をしている本革は、適切なサイズにカットすると最大40%が無駄になると言われています。
 
ラスティング・レザー・ラボのデザイナー、シモーネ・ポストは、この廃棄物を取り出し、短冊状にカットし、丸め、結び、縫い合わせ、新しい商品やアートを作り出します。
彼女のプロセスは、素材の本質的な品質、しわや引っかき傷などの欠陥をも魅力としてうまく活かしていきます。それは革の由来である動物への敬意でもあります。
 
アディダスやフリスコなどのレーベルと協力してきた彼女は、デザイナーとして、主要ブランドに廃棄物の使用を奨励することでサスティナブルを目指しています。
パイナップルの葉から取り出した不織布
収穫後には廃棄燃焼されるパイナップルの葉を使って作られたピニャテックスは、革のような風合いが人気を呼びファッション業界でヒット。
ジャガイモから繊維強化バイオプラスチック
ジャガイモ加工で発生する非食品グレードの廃棄物を利用してバイオプラスチック「Parblex」を開発。もちろん生分解性でリサイクル可能。
バナナの残渣からテキスタイルを
一度だけ実をつけるバナナの残留物は収穫量の2倍。クリーンな方法でバナナの偽茎から繊維を抽出し、繊維や紙製品を製造
余剰ウールを不織布として製品化
メリノウールに押され市場を失った欧州産ウールを買い取り、クリーンな製法で用途の広い不織布Cloudwoolを製造。質の悪い土地での養羊業をサポート。
古いカーペットから新しいカーペットを作る
回収した使用済みカーペットを分解精製。全パーツを余すところなく材料化して製造に使用。品質を損なうことなく無限のリサイクルが可能に。

Sustainable Colors <持続可能な染色技術>

原材料の見直しや使用後のリサイクル方法の開拓に加え、生産プロセスの改革も求められている大きな課題です。
 
繊維の染色は、合成染料と大量の水を消費するプロセスです。きちんと色を定着させたり望む色を出すため、また工程時間を短縮し納期を早めるために合成染料が使われていますが、染料に含まれる有毒な化学物質によって引き起こされる健康と環境への影響に取り組んでゆくことが求められています。

天然染料を使う草木染は、季節を選んだり品質が一定しないといった工業化が難しい側面があります。それを面白さととらえるか、消費する側の意識も問われているかもしれません。

 

アボカドは、意外にもピンクに染まります。殻や種など調合によって淡く優しいピンクからより深いバラ色の色合いまでさまざまな色合いが得られます。ベネズエラ生まれのデザイナー、マリアエレナポンポは、アボカドをテーマとしたプロジェクト・ブランドを立ち上げました。タマネギの皮やアナトー(ベニノキの種)などからも染料を作り様々なpH値の水で実験を繰り返しカラースケールに沿った染料レシピを作りました。

微生物から染料をつくる
DNA解析によって自然界にある色の色素を構成するコードを識別。遺伝子情報を微生物に与え醗酵培養し染料を作り出す。
廃棄農産品物から染料をつくる
食用として使われなかったハーブや農産物から生合成染料を製造。材料コストがかさみ導入が難しかった天然染料のハードルを下げる。
食品廃棄物から耐変色性染料をつくる
国内外の大手食品会社と提携し、フードロス削減に取り組みながら定着性の良い染料を製造。約50種の色が可能に。
有機綿の天然の色の美しさを伝える
農薬を使わず暦の動きと寄り添うバイオダイナミック農法を実践。自然に実ったコットンの色をそのまま生かし自然の色を楽しむ。
光合成するテキスタイル
生きた藻のコーティングによって二酸化炭素を吸収し酸素を排出する繊維を開発。バクテリア染料染色にも取り組み緑色以外の色の研究も進んでいる。
PICK UP

展示会で発表された新作商品やコレクションを弊社取り扱いの海外ブランドと併せてご紹介いたします。

Fabric collection /  CLARENCE HOUSE(アメリカ)

ハイスタイルのテクスチャーと大胆なカラーパレットで、独特の個性が光るテキスタイルブランド、CLARENCE HOUSE。米国最大のテキスタイルディストリビューターFabricut社の資本傘下となり販路も広がっています。

 

ニューヨークのインテリアデザイナー Robin RobertsとアートディレクターKazumi Yoshidaによって生み出される妥協のない芸術性と先進的なテクノロジーに支えられたコレクションは、明るく遊び心にあふれ気品があり、インテリアテキスタイル業界において優れたスタイルセッターの一つとなりました。多くのインテリアデザイナーのビジョンを叶え、著名な美術館や歴史的な家にも使われています。

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